「玄関リフォームの費用相場を知りたい」
「なるべく安く玄関リフォームをするには?」
そんな疑問をお持ちの方に、今回は玄関リフォームにかかる費用の相場や費用を抑える秘訣、予算範囲内でできる玄関リフォームをご紹介していきます。
玄関は毎日家族が使用し、お客さんを出迎える家の顔。
比較的範囲が狭いということで、それほどお金をかけなくても見違えるほどにリフォームできます。
これから玄関リフォームをしようとお考えの方はぜひ参考にしましょう。
玄関・玄関ドアのリフォームの相場
まずは玄関ドアをはじめとする玄関リフォームの相場からご紹介していきます。
気になる玄関リフォームがあったら、相場をチェックしておきましょう。
玄関に網戸を設置する場合
玄関ドアの内側や外側に網戸を設置するリフォームでは、材料・工事費込みで2万~10万円が相場です。
玄関に網戸を設置することで玄関からの風通しが良くなり、暑い夏場は家全体の気温を下げる効果が期待できます。
玄関に設置できる網戸には次のようなタイプがあります。
◆左右どちらかに巻いて収納する網戸
◆プリーツ状になっている網戸
◆ 折りたたみタイプの網戸
サイズが大きくなるにつれ価格が上がり、フレームの材質によっても異なりますので、詳しくはリフォーム業者にお問い合わせください。
耐久性あるアルミドアに変更する場合
玄関ドアを耐久性の高いアルミ製のドアに変更するリフォームでは、15万~25万円が相場です。
よりリフォーム費用を抑えるには、既存のドア枠をそのままに新しいドア枠を上からかぶせて施工する「カバー工法」がおすすめ。
工事内容も比較的簡単でほとんどのケースでは半日~1日程度で工事が終了します。
玄関間口の変更する、玄関を広くしたい場合
狭い玄関の間口を広げたり、玄関のたたき部分を広くするリフォームでは、外壁や内装部分の変更も伴うため、施工費用は35万~50万円前後と高くなりがちです。
とはいえ玄関を広くすることで荷物の出し入れがしやすくなったり、車いすでの移動も楽に。
比較的大掛かりになる間口変更リフォームでは、玄関ドアの交換や他の内装部分のリフォームも一緒にすると、個別に工事するよりもトータルの費用を抑えられます。
介護仕様
バリアフリーや車いす対応の玄関ドアへの変更では、開き戸から引き戸へのリフォームで15万~30万円ほどが相場です。
力の弱いお年寄りや車いすの方でも開け閉めがしやすい玄関ドアは、開口部分を広げて出入りしやすくなるとより使い勝手がよくなります。
結露・断熱・強風対策のためのリフォームの場合
玄関の結露が気になる方や家の断熱性をアップさせたい方、強風でも隙間風が室内に入ってこないようにしたい方におすすめなのが、断熱ドアへの変更リフォームです。
カバー工法で工事ができる場合は、断熱ドアの取り付けや既存ドアの撤去処分費用込みで5万~10万円ほど。
新しいドアのサイズが合わない等、カバー工法で工事ができない場合は10万~20万円前後かかる場合があります。
玄関を明るくしたい場合
何となく薄暗い玄関を明るくしたいという場合には、壁や床といった内装を変える方法と、照明器具を新しくするというリフォームがおすすめです。
壁面と天井の壁紙を変える
玄関の壁と天井の壁紙を明るい色へ変更するだけでも、玄関全体が明るくなります。
玄関の広さにもよりますが、壁紙の交換だけでは3万~5万円ほどでリフォーム可能です。
床材を変更する場合
玄関のたたき部分の床材を変更するリフォームでは、明るい色のタイルへの交換がおすすめ。
工事にかかる費用は5万~10万円ほどですが、自分でフロアタイルやタイルカーペットを上から貼る場合はさらに費用を節約できます。
照明を変更する場合
玄関の照明を増やしたり、シューズクローゼットの足元に間接照明を設置する工事では、3万~5万円ほどでリフォームできます。
他にも玄関の外部分に人感センサー搭載のライトを設置するのもおすすめです。
暗くなっても人の気配を察知して、広範囲に照らしてくれるので防犯対策にもなります。
玄関ドアの種類
玄関リフォームで欠かせないのが玄関ドアの交換です。
こちらでは玄関ドアの種類ごとの特徴をご紹介しながら、リフォームで玄関ドアを選ぶ際のポイントについて解説していきます。
玄関の引き戸と開き戸の違い
玄関には大きく分けて引き戸と開き戸の二種類があります。
玄関の引き戸
引き戸とは左右どちらか横に扉をスライドさせて開ける戸のことで、開き戸は前や後ろ側に開ける戸のことを指します。
一昔前の住宅や和風住宅では引き戸が多く採用されていますが、建売住宅をはじめとする現在の洋風住宅では開き戸が一般的。
最新のタイプでは力をそれほど使わずに開け閉めでき、前後にスペースを必要としないので、玄関を広く使えます。
ただし開き戸に比べて断熱性が低かったり、引き違い戸の場合は扉スペースが開き戸の倍必要になるというデメリットがあります。
玄関の開き戸
開き戸は比較的価格が安めでデザインや機能がたくさんの種類から選べるのが魅力です。
しかし開閉にスペースが必要だったり、開け閉めにある程度の力がいります。
玄関ドアを選ぶポイント
最近の玄関ドアは種類が豊富で、様々な機能を持つものがあります。
どんな機能の玄関ドアを選んだらいいか分からないという方のために、ここでは玄関ドアを選ぶポイントをご紹介しましょう。
今後の事を考えてドアの種類を選ぶ
玄関ドアを選ぶ際には、20年後、30年後の将来のことを考えて選ぶのがポイントです。
これから家族が増える予定のある方はベビーカーでも通りやすく、小さな子どもでも開け閉めしやすい玄関ドアがおすすめ。
足腰が衰えたり家族に介護の必要が出てくるようなら、バリアフリー対応の玄関ドアを選びましょう。
特に車いすで玄関を出入りする可能性がある場合は、少なくとも800mmの開口が確保できる玄関ドアにしましょう。
断熱性と風通し
玄関ドアを選ぶ際には室内の断熱性を確保できたり、風通しのよさもポイントです。
玄関ドアに断熱性がないと、寒い冷気が室内に入ってきてしまいます。
特に引き戸は断熱性の確保が難しいため、なるべく高断熱の玄関ドアを選ぶようにしましょう。
風通しを良くするには玄関に網戸を設置したり、ドアを閉めた状態で風を通せる採風窓が付いた玄関ドアが良いでしょう。
玄関の上がり框の段差
玄関ドアリフォームの際には、玄関の上がり框の段差の見直しをすることも必要です。
上がり框とは靴を脱ぎ履きする土間から一段上がった段差のこと。
家の中で靴を脱ぐ日本住宅にはなくてはならない部分ですが、何センチまでという基準はなく家ごとに高さはまちまちです。
特に足腰に不安を抱える高齢の家族がいる場合や、介護が必要な方がいる家では、この上がり框を少し低めにすると、家の中への出入りが楽になります。
防犯セキュリティと鍵
玄関ドアを選ぶ際には玄関の防犯セキュリティの観点からドアに取り付ける鍵についても重要です。
玄関は人が出入りする場所ということで、最も空き巣や泥棒に狙われやすくなっています。
特に次のような鍵は、防犯上おすすめです。
鍵の種類 | 特徴 |
---|---|
ディンプルキー | ●先端にギザギザの刻みがなく丸い穴が開いた鍵 ●ピン配列が複雑でピッキング防止になる |
ウェーブキー | ●表面に波型のくぼみが付けられた鍵 ●複製されにくく防犯性が高い |
電気錠 | ●リモコンで開け閉めするタイプの鍵 ●鍵穴がなくピッキングされにくいが、リモコンの電池切れに注意 |
スマートキー | ●スマホやICカードを使用して施錠や開錠をする鍵 ●遠隔操作やアプリを通じて鍵の受け渡しも可 |
他にも一つのドアに二つカギを設置する「ワンドア・ツーロック」や、ドアを閉める度に自動でロックされる機能も防犯対策としておすすめです。
バリアフリー
高齢化が進む中、最近特に多いのが玄関のバリアフリーリフォームです。
玄関のバリアフリーリフォームには次のようなものがあります。
◆ アプローチにスロープを設置する
◆玄関ドアを開けやすい引き戸に変更
◆ 上がり框を低くする
◆ 靴が楽に着脱できる腰掛けを設置
◆上がり框部分に手すりを付ける
◆ 車いすが入れるようにスペースを広げる
◆玄関ドアの間口を広げる
このように玄関のバリアフリーリフォームは様々な部分に必要で、使う人の運動機能や介護の要不要によって、工事箇所が異なります。
予算に合わせた玄関リフォーム、
リフォームの相場費用は?
玄関リフォームに使える予算が限られている場合は、その予算内で可能な工事を知って選んでいく必要があります。
5万円以内で可能な玄関リフォーム
リフォーム費用を5万円以内に抑えたいという場合は、次のようなリフォームがおすすめです。
リフォーム 相場価格 | リフォーム内容 |
---|---|
2万円~ | 玄関ドアの傷・凹み・サビ補修 |
3万円~ | 玄関ドアの表面シート張り替え |
4万円~ | 玄関収納下への照明設置 |
30万円以内で可能な玄関リフォーム
使える予算が30万円までに増えると、できる範囲がぐっと広がります。
リフォーム 相場価格 | リフォーム内容 |
---|---|
12万円~ | 玄関ドアにアルミ製網戸を設置 |
25万円~ | 玄関壁・天井・たたき部分のタイル交換 |
25万円~ | カバー工法で金属製ドアへリフォーム |
25万円~ | 2ロックタイプのドアへ交換 |
35万円~ | 引き戸から開き戸への変更 |
50万円以内で可能な玄関リフォーム
一般的な玄関リフォームの費用相場は40万~60万円ほどとなり、玄関ドアの交換と他の部分のリフォームが可能です。
リフォーム 相場価格 | リフォーム内容 |
---|---|
35万~50万円 | 玄関の間口変更 |
40万円~ | 玄関ドア交換と既製下駄箱の設置 |
40万円~ | 玄関ポーチの拡張とタイル貼り替え |
50万円前後 | 玄関ドア交換と外壁リフォーム |
50~100万で可能な玄関リフォーム
50万円以上の予算がある場合は、玄関ドアをより高機能のタイプへリフォームすることが可能です
リフォーム 相場価格 | リフォーム内容 |
---|---|
60万円~ | 採光性のある断熱ドアへ交換 |
62万円~ | タッチキー付き玄関ドアへ交換 |
65万円~ | 玄関ドアと土間部分のリフォーム |
80万円~ | 断熱ドアへの交換と収納造作リフォーム |
100万円以上で可能な玄関リフォーム
100万円以上玄関にかけられると、大規模な増築やハイグレードな材料を使用したリフォームができます。
リフォーム 相場価格 | リフォーム内容 |
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100万円~ | 間取り変更に伴う玄関リフォーム |
150万円~ | 玄関増築とサンルームの設置 |
150万円~ | 断熱ドアへの交換・玄関収納造作・内装リフォーム |
200万円~ | 大規模バリアフリーリフォーム |
玄関ドアのリフォーム費用が高くなる場合
玄関ドアのリフォーム費用が高くなる原因として、いくつかの理由が考えられます。
なるべくリフォーム費用を抑えたいという場合は、他の方法がないかをリフォーム業者に聞いてみましょう。
◆既存のドアと設置したいドアのサイズが大幅に違う
◆ 玄関ドア枠のサイズ変更が必要
◆ ドア取っ手の交換などオプションが追加になる
◆ ハイグレードな玄関ドアや建材を選ぶ
特に玄関ドアリフォームでは、使用する材料の価格やカバー工法で工事できるかが費用に影響を及ぼします。
材料を選ぶ際は、本当に必要なのか考えて選ぶようにしましょう。
玄関ドアのリフォーム費用を抑えるポイント
玄関ドアのリフォーム費用を抑えるには、次のようなポイントに気を付けましょう。
◆ ドアのサイズはなるべく変えない
◆ カバー工法で施工できるドアを選ぶ
◆ 最小限のリフォームで済む場合は部品だけの交換にする
またリフォーム業者に依頼する際にはあらかじめ予算金額を伝えておくといいでしょう。
見積もりの段階でその予算に収まるような工事を提案してくれますし、他の費用を抑えられる方法を教えてもらえるかもしれません。
まずはリフォームの目的を明確にして、そのために必要な最小限のリフォームにすると、トータルの金額を抑えられます。
玄関リフォームのタイミング
玄関リフォームに適したタイミングは、玄関の鍵が開けづらくなった、物が増えて収納が足りない、暗くて寒いなど、玄関に何かしらの不便や不満があった時がおすすめ。
建ててから30年以上経った住宅では、家族構成が変わったり設備に不具合が出るなどしてから玄関リフォームを考える方が増えています。
特に玄関ドアの建付けが悪くなっていたり、鍵が鍵穴から抜けなくなってしまうといった状況では、住宅の防犯性の低下に繋がります。
なるべく早めに玄関リフォームを検討するようにしましょう。
玄関ドアのリフォーム会社の選び方
玄関リフォームを依頼するリフォーム会社を選ぶ際は、玄関リフォームの実績が豊富な業者を選びましょう。
経験や知識が豊富なので失敗が少なく、材料を仕入れる際にも安くできます。
なるべくなら自宅に近い会社を選ぶと、交通費等の経費が抑えられ、いざという時にもすぐに駆け付けてもらえるでしょう。
相見積もりは2社以上から
リフォーム会社を選ぶ際には必ず2社以上から相見積もりを取るようにしましょう。
その際には工事内容や使用する玄関ドアの種類を同じにすると、価格や工事内容を比較しやすくなります。
相見積もりでは金額の比較はもちろんのこと、見積明細は詳細かということや業者の対応、説明の丁寧さなどを見て、相性やリフォームをお願いしても大丈夫かチェックしましょう。
まとめ
玄関ドアの交換をはじめとする玄関リフォームでは、施工する範囲や場所、使用する材料のグレードによって相場が大きく変わってきます。
まずはリフォームの目的を明確にして目的に合ったリフォームを行うと、費用が最小限で押さえられ、リフォーム後の満足度も高まるはず。
玄関は家族全員が使う場所だからこそ、家族の将来のことを考えながら使いやすいようリフォームするのが、玄関リフォームを成功させる一番の秘訣です。