玄関リフォーム:引き戸

「玄関ドアを引き戸に替えるにはどのくらい費用がかかるの?」
「引き戸にはどんな種類があるのか知りたい」

玄関ドアを引き戸にリフォームしようと検討中の方にとって、引き戸の種類や選び方、リフォーム費用は気になるところ。
こちらの記事では引き戸の種類や色から見る選び方、リフォームにかかる費用および期間をご紹介していきます。
玄関引き戸の種類を知って、あなたの玄関リフォームに役立ててくださいね!

 

玄関引き戸のメリットとデメリット

 

まずは玄関ドアを引き戸にするメリットとデメリットから解説していきます。

 

玄関ドアを引き戸にするメリット

* 開口部が広く取れるのでベビーカーや車いすの出入りに便利
* 力の弱い子どもやお年寄りでも開閉しやすい
* 扉の開閉が邪魔にならず扉周辺にスペースを確保できる
* ガラス部のある引き戸では採光性がよい
* 風通しを良くできる
* 強風の影響を受けずに開閉が可能

扉の開閉や開口部について、引き戸ならではの利点がたくさんあります。

 

玄関ドアを引き戸にするデメリット

* 開閉時間が長くなるため気密性が低い
* 断熱性が確保しにくい
* 防犯面での対策が必要
* 開閉音が大きくなる

引き戸の構造上、気密性や断熱性の低さが問題になります。
ただしこれらのデメリットも、引き戸の選び方次第では解消できる可能性があります。

 

玄関引き戸の種類と特徴

 

玄関リフォーム:引き戸

玄関に採用されることが多い引き戸には様々な種類があり、それぞれで異なる特徴を持っています。
こちらでは主な種類とその特徴をご紹介していきますので、引き戸を選ぶ際の参考にしましょう。

 

引き違い扉

引き違い扉は二枚ある扉の両方をレールを滑らせることで移動でき、二枚とも開閉できる扉のことで、「行き違い」と呼ばれることもあります。
引き戸では最も一般的なタイプで、窓サッシにも多く見られます。

左右どちらからも開閉できるということで使い勝手が良くガラス面が多いと採光性がアップしますが、玄関やそれに続く廊下に一定の幅が必要になるのがデメリットです。
かつては和風の住宅によく見られましたが、今では洋風の住宅にも合うデザインも増えています

 

片開き扉

片開き扉は一枚の扉を左右どちらか一方に移動することで開閉する扉を指します。
引き違い扉と比べて気密性が高く開けた状態でも扉が邪魔になることがありません

また開き戸からのリフォームがしやすく、費用も抑えられるのがメリットです。
ただし扉一枚分しか開口を確保できないので、大きなものを搬入する際や車いすでの移動で狭く感じることがあるでしょう。

 

2枚または3枚開き扉

2枚~3枚の扉を連動させて開閉するスタイルの扉です。
左右どちらかにスライドすることが多く、開口が広く取れるのでベビーカーなどの出入りも楽になります。

開閉する扉の枚数分だけ広い玄関スペースが必要になるので、リフォーム出来る玄関が限定されるのがデメリットです。

 

両引き込み扉

二枚の扉は中央で開き、左右それぞれの壁に引き込まれるように格納するスタイルです。
広い開口スペースを確保でき出入りが楽になりますが、二枚の扉と引き込みに必要な空間が無ければ設置できません。

こちらは玄関の前後のスペースに限りがあるものの、開口を広く取りたい方におすすめの引き戸です。

 

玄関引き戸の格子の種類

玄関リフォーム:引き戸

和風の玄関引き戸には多くの場合「格子(こうし)」が使われています。
格子とは日本ならではの建具に使われる細工で、木製の桟(さん)を縦と横の格子状に組み上げたデザインになっています。

縦方向の桟を竪子(たてこ)、横方向の木材を貫(ぬき)といい、竪子と貫の組み方でさまざまな見た目に仕上げられます。
こちらは主な格子の種類と特徴の一覧です。

格子の種類 特徴
桝格子 ●等間隔のマス目状に組まれた格子
●特に玄関扉に多く用いられ、豪華で迫力のあるデザインに仕上がる
堅(縦)格子 ●竪子が等間隔で、比較的密に並んだデザイン
●昔ながらの和風住宅や和モダン住宅に良く合う
横格子 ●貫が等間隔に並んだデザインで部屋を広く見せる効果がある
●桟が比較的広くガラスをはめ込んで使うことが多い
変わり型格子 ●竪子と貫を不規則に並べた格子
●遊び心を演出でき、様々な場所に使用できる
切子(親子)格 ●太さや長さの違う桟を一定の間隔で使用
●京町家でよく用いられ、玄関扉としても人

 

玄関引き戸を色から選ぶ

玄関リフォーム:引き戸

玄関引き戸を選ぶ際は、引き戸の種類や格子の形だけでなく色も重要。
玄関扉によく使われている色と、その印象や特徴について解説していきますので、玄関引き戸の色を選ぶ際の参考にして下さい。

印象や特徴
白・アイボリー ●明るい印象になるので北向きや日当たりの悪い玄関に合う
●白い外壁との相性が良く、ドア枠などでメリハリをつけると締まる
木目調のダークカラー ●デザイン性が高くモダンでおしゃれな印象になる
●シンプルな外壁とマッチし、白い壁を引き締めてくれる効果も
モノトーン ●黒やグレーを選ぶと汚れが目立ちにくくスタイリッシュな印象に
●白い部分は防汚加工がしてあるとお手入れが楽
シルバー・グレー ●無機質でスタイリッシュな外観になる
●モノトーンカラーの外壁に合う
寒色系(グリーン・ネイビー) ●植栽との相性も抜群で、外観に馴染みやすい
●比較的どんな外壁の色にも合わせやすい


玄関引き戸の色を選ぶ際は、家のデザインや外壁の色に合わせることも重要です。
好きな色だからと奇抜な色にしてしまうと、玄関引き戸だけが悪目立ちしたりその部分だけ浮いてしまうことも。
自分の家の外観はもちろん近隣の住宅との調和も考えながら、全体的なバランスを考慮して玄関引き戸の色を選ぶと失敗が少なくなるでしょう。

 

玄関引き戸の採光・断熱・防犯性

玄関リフォーム:引き戸

玄関を引き戸にする際に気になるのが、室内に日光を取り込める採光や暑さ寒さから室内を守る断熱性、室内への侵入を防ぐ防犯性です。

 

採光

採光だけを考えた場合、玄関ドアを引き戸にすることは正解です。
というのもガラス部分が多い引き戸にすることで、自然の光を多く室内に取り込めるようになるためです。

また開口部が大きくなるのも採光には利点になります。

 

断熱性

開口部が大きくなると気になるのが断熱性。
夏涼しく冬暖かく過ごすには断熱性の良さが不可欠ですが、引き戸のように開口部が広かったり戸と戸の間に隙間ができると、断熱性が低くなってしまいます。

ただし引き戸の選び方次第では、断熱性を向上させることが可能です。
引き戸の弱点である気密性や断熱性の低さに関しては、複層ガラスを取り入れた引き戸にしたり、片引き戸を選ぶことで向上させることが可能です。

 

防犯性

引き戸は防犯性が低いと心配されがちですが、防犯性の高い鍵を採用したり、戸が閉まると自動的に施錠される商品を選ぶことで解決可能に。
さらに戸の「バタン」という開閉音が気になる場合は、ドアクローザーを取り付けてゆっくりと静かに閉まる戸に変えられます。

引き戸へのリフォームでは、引き戸のデメリットを解消できる商品選びがポイントです。
まずは現状の玄関で何を一番優先するか(採光・断熱性・防犯性)を考え、その優先順位に合った引き戸を選ぶようにすると良いでしょう。

 

玄関ドアの防火基準

防火

 

玄関ドアをリフォームする際には、ご自宅がある場所によって防火基準を満たしたドアを選ばなければなりません。
建築基準法によると、防火地域あるいは準防火地域に建っている建物の外壁で、延焼のおそれがある部分の開口部については、炎をさえぎって延焼を防ぐ「防火設備」の使用が義務付けられています。

開口部には窓や玄関といった出入口が当てはまりますので、建物の1階に玄関ドアがあり、道路中心線から3m以内または隣地との境界線から3m以内に玄関ドアがある場合は、国土交通大臣認定の防火設備ドアを選んで設置するようにしましょう。
自宅のある場所が防火地域や準防火地域になっているか分からないという方は、地元のリフォーム会社や役所の建築指導課、消防署などに問い合わせてみてください。

 

玄関引き戸にリフォームした時の費用

リフォーム予算

玄関ドアのリフォームをする際に気になるのがリフォーム費用です。
玄関ドアを引き戸にリフォームするには、既存の壁を壊さずに今ある扉の枠の上に新しい枠を取り付ける「カバー工法」と、壁を壊して古い枠を撤去、新しい枠を設置して壁を新設するリフォームの二種類があります。

 

玄関ドア:現状のドア枠の上に新しく設置する「カバー工法」

カバー工法によるリフォームでは、壁や扉枠を解体撤去する必要がなく、短工期で費用もそれほどかかりません。
引き戸の幅や種類にもよりますが、材料工事費込みで30万円から50万円ほどが相場です。

 

玄関ドア:新しいドア枠を設置

一方の壁を撤去するリフォームでは、工事範囲が広く外壁や内装を作り直さなければならない手間もかかるため、カバー工法によるリフォームよりも費用が高めになります。
具体的には50万円から80万円ほど

かなり大がかかりな工事となるため、他のリフォームと一緒にしたり、玄関全体をリフォームする際に一緒に工事すると費用を抑えられます。
尚、正確なリフォーム費用を知りたいという方は、リフォーム業者に現場を見てもらったうえで、見積もりを出してもらうことをおすすめします。

 

玄関引き戸 リフォームにかかる作業時間

リフォームスケジュール

玄関を引き戸にするリフォームにかかる作業時間は、カバー工法であれば1日から3日ほどで終了します。
壁を撤去するリフォームや間口を変更するようなリフォームでは工期が伸び、一週間から10日前後かかることがあります。

どちらの場合も現状や工事の内容に応じて変わりますので、工事を依頼する業者に確認すると良いでしょう。

 

失敗しないリフォーム会社の選び方

リフォーム会社の選び方

玄関リフォームを成功させるには、リフォーム会社の選び方も大切です。
まずは地元の業者を中心に、その会社のHPをチェックして玄関ドアのリフォーム実績が豊富かを確認しましょう。

一口に住宅リフォームといってもその範囲は大変広く、リフォーム箇所ごとにコツや注意点が異なります。
過去に工事した玄関リフォームの事例が数多く載っている会社なら、その点安心して任せられるでしょう。

次に2~3社に絞ったリフォーム会社から、相見積もりをとって工事内容や金額を比較しましょう。
リフォームはその家ごとに工事内容が異なります。相見積もりは工事の相場が知れるだけでなく、どんな工事が必要になるか確かめることができるのです。

相見積もりの際にはトータル金額だけでなく、工事内容や使用する材料が細かく記載してあるか、丁寧に内容を説明してくれるかなどもチェックして、工事を依頼するリフォーム会社を決めましょう。